明治38年に泡盛処で名高い首里赤田の地で創業した酒造所は、第二次大戦の被害によって工場は崩壊。その後、昭和21年アメリカ民政府の要請で、本島北部の金武町字伊芸に官営の酒造所として伊芸酒造廠を設立しました。

 昭和24年には民営化され、今日の崎山酒造廠に至っています。金武町での創業当初、米軍の大型格納庫(コンセット)を利用して工場が建てられました。現在は、台風などによって崩壊された部分を立て直しながら、床のセメントや骨組みにその名残が残されています。

 そんな酒造所が誇る代表銘柄「松藤」は、二代目崎山起松さんと妻藤子さんの名から命名されました。浸み入るような甘さとまろやかさが特徴のその酒は、酒造所裏にある恩納岳から湧き出る自然水によって、仕込まれています。金武町伊芸地区だけに供給されるその水は、沖縄本島では珍しい柔らかな軟水で、原料によく馴染み泡盛本来の旨みを引き出すのに最適だといいます。

 引き出した旨みを守るため、出来上がった酒はろ過しすぎないよう細心の注意が払われています。そこには、旨みを取り過ぎず、昔ながらの泡盛の香りを生かし熟成の条件をよくする、というこだわりが隠されているのです。

 「水で割るには、もったいない酒。その旨さには、水の味さえ負けてしまう」と、松藤ファンは語ります。沖縄の歴史と共に歩み、恵まれた自然水でまろやかな味を造り続ける酒造所の泡盛をぜひロックで堪能してはいかがでしょうか…。
崎山酒造廠 金武町字伊芸751
TEL 098-968-2417
    FAX 098-968-2463
崎山酒造廠の泡盛を見る
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富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
ラジオ、インターネット、テレビなどで
フリーのパーソナリティとして活動するなか
泡盛のルポライターとしても活躍中。
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