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<泡波一考>

 泡波は八重山群島の波照間で造られる泡盛で、島内で消費できるだけの量しか生産しません。というか、それだけしか生産できません。 生産量が少ないので希少価値がある泡盛なのです。島内では千円ちょっとの品が同じ八重山の石垣に来ると五千円、本島に来ると一万円、で本土に持っていくと二万円以上から(聞いたところによると五万円という噂も)の値がつくというとんでもない銘柄なのです。
何度か口にしたことがあるのですが、何故かそれなりに皆美味いのです。why?と考えてみると・・・。

  1.  多分に泡波を所有している人は皆、大切に保管しているのでいつの間にか古酒になっている。だからマズイ泡波は無い。
  2. しかも新しい泡波は波照間島の人達が自分で飲む分と知人に譲る(売る?)分とを押入れに沢山隠しているので、新酒はほとんど市場では流通されない(と云う話を聞いた事がある)。
 と書くと何か島民はガメツイという風な印象を与えるので彼らのために敢えて弁明すると、島内で消費される分の生産量しか無い上に年に数回かしか生産しないので、もともと流通には乗らない類の商品なのです。

 以前、友人で話題が泡波に及んだ時、「ああ、俺のかみさんは波照間酒造所の姪っ子だから何本か定期的にもってきてやるよ」大見得を張った奴がいました。三月経っても半年経っても何の音沙汰も無い。一年ぶり程でやっと再会した彼(ず〜と私を避けていた様子)が言うには「実は、親戚が島の外に泡波を持ち出すと他の人達よりもっと回りがうるさい。
もし持ち出したら島に帰れなくなるよ。勘弁してよ〜」と終いには泣きを入れる有様。「泡波」は専売公社ならぬ島民による暗黙の自主規制、統制が取れた商品の様です。

 波照間島、石垣、本島、本土とこんなにも価格格差があると島民が島の外へ行く時には手に何本かの泡波を持っていけば船代や航空運賃が浮くと云う事になります。何がしかの離島補助が国や県から有るかもしれませんが、それ以上にこれは島民にとっては助かる話では有りませんか。沖縄には48の酒造所がありますが、幻ゆえに島の泡盛が島民の生活を助けるというすばらしい泡盛は泡波しかないでしょう。という訳で読者の皆様、余り泡波、泡波と言って泡盛倶楽部を悩ませないようというスタッフからのお願いでした。
おさむ = 文

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