久しぶりに「泡盛コラム」を読み返していたら、2002年11月から何も書き足してないのに気が付いた。マメな性格でもないので、わざと「おさむちゃんのコラム」から「みんなのコラム」という今のサブタイトルに名称を変え、奇特な読者からの寄稿を期待したのだが、それもうまくいかなかったようです。特定のファンがいるとはとても思えないが、取敢えずは何か書かなければと思ってしまった。
幸いにパソコンのファイルを整理していると、いくつか書きかけの文が残っていたので、“ひょっとすると過去に掲示版に載せたのもあるかもしれない”と思いつつも皆の記憶が薄れた事を期待してそれを載せてみることにしました。
至福の時
いやいや、昨日は大変なサキ(沖縄で泡盛のことを言う)を飲ませていただきましたな〜。
なじみの店のマスターが、何も言わず目の前に置いた2合瓶(沖縄で一般に流通されている360mlの透明瓶)。なにやら「春雨」のラベルの上には走り書きされたメモ用紙が貼ってある。おもむろに取り出したチブグァー(お猪口)を見ると、どうやら“味見してみて”ということらしい。
断る理由も無いし、というか大変有難い事で、こちらも何も言わずチブグァーにサキをつぎ、とりあえず礼を尽くしておそるおそる口にしてみる。
“うん、かなり旨いぞ!このサキは”なんて思いつつもわざと首をかしげ、さりげなく手酌でもう一杯。このあたりへ来るともう恥じも外聞も無い。飲兵衛の図々しさで、開口一番が「マスター、ちょっとコップに入れて飲んでみていい?」。
オンザロックにしてもやはり旨い。古酒の香ばしさと甘さが口一杯に広がり、鼻から抜けて行く。“へーゼルナッツと蜂蜜の香がかすかに感じられる。それに枯葉の下の土の香とかすかな白梅の・・・・・”何てアホな事は一切言いません!
「春雨」のイメージがずっとあるので“ええ〜?春雨ってこんなサキ?いつ出したの?”と思いつつ瓶を手にし、走り書きを見ると、「芳春」と書いてある。“「芳春」って確か以前、那覇市の三原にあった造り酒屋の?”と思いつつ聞いてみると、そこの息子が持参してきたサキらしい。
「芳春」は確か1966年、昭和41年に廃業したはずなので、計算してみると36年以上の古酒。どうりで旨いはずだ。
残りのサキをなめつつ「マスター、こんなすばらしいサキは軽々しく人前に出してはいけないよ!」と自分の立場も省みず、至福の時を感じた私でした。 |