泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > 忠孝酒造(株)
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
那覇空港から国道331号線を南西に車を走らせていくと、豊見城村へ入っていきます。その入り口とも言える場所に創業51年目迎える酒造所が見えてきます。
「いいもの」にこだわり続け、その限りない創造をかきたてる想いとエネルギーが溢れだす酒造所です。
三代目大城社長は「一番いいものという事は、唯一のもの。泡盛にしかない古酒文化だよ」と語ってくれました。500年以上の歴史ある蒸留酒「泡盛」は、歴史の中で熟成を高め、まろやかな深いコクある酒となるのです。
これは、他には見られない沖縄で生まれ育った古酒文化。製品化された泡盛は、酒造所の手を離れ、それを手にした人だけがつくりだせる風味を育てていくことができるのです。その古酒文化で大切な役割を果たすのが、古酒を寝かせるための甕。忠孝酒造では、その甕を独自で造りだすことに成功した唯一の酒造所なのです。
豊見城村の土壌に含まれる泥灰岩土壌(ジャーガル)と呼ばれる上質な土で、10余年の時をかけ、研究と鍛錬を繰り返し、先代自らが築き、焼き上げた忠孝南蛮荒焼は、育てる酒とそれを守る甕の見事な調和を奏でています。甕を叩くとカーンというなんとも心地よい金属音を発します。これが完全に焼き閉まった音で、泡盛の熟成を促します。最高の甕が出来たのなら、最高の酒を…ということで生み出されたのが花酒つくりの「仁風」。
蒸留酒の泡盛には、初留、中留、後留の三段階の過程があり、花酒つくりとは、うまみが凝縮された香りと風味のバランスに優れた中留だけを取り出して造られた贅沢な手法なのです。余すところなく追い求められていく酒へのこだわり。「忠孝窯」から出る甕に詰められた贅沢な泡盛は、底知れず、甘く深い夢を見ながら熟成し続けるのです。
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