泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > ヘリオス酒造(株)
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
伝統に甘んじることなく、本物にこだわった酒造りを目指していく酒造所は、昭和36年に沖縄ならではの「さとうきび」を原料としたラム酒の製造を行う太陽醸造として設立されました。
昭和44年にヘリオス酒造へ社名変更後、ハブ酒、黒砂糖酒の製造を始めます。
昭和54年には、焼酎乙類の製造免許が交付され、泡盛の製造を開始しました。ヘリオス酒造は、泡盛・スピリッツ・リキュール・ウイスキー・と4つの酒造免許を持つユニークで特異な酒造所ですが、「大事なのは、免許の数ではなく、そこからどういう酒を造るべきか、それは、本物であるかどうかだ」が、二代目松田亮社長の持論。泡盛を造り始めて、創業21年という比較的新しい酒造所ですが、その急成長ぶりには目をみはるものがあります。
本島北部にある名護市許田に、6000坪の敷地を構え、一度に6トンの米で仕込み作業を行っています。名護の自然に囲まれた広大な敷地を利用した「見せる工場づくり」の代表的な象徴は、全酒造所唯一の銅製の蒸留機。
赤銅色に輝く3機の蒸留機は、美しいだけでなく、まろやかな味に仕上げることができるのです。元来は、ウイスキーなどの蒸留に使われるものを酒造所の新しい技術の導入や工夫の中で、取り入れられたもの。その代表銘柄となるのが「くら」。15年の研究により完成させた、カナダ産の樫樽に貯蔵による、琥珀色でクセのない飲み口。熟成5年古酒「主」は、地下の古酒蔵で静かに寝かされた香り高い旨酒。沖縄本島の本部半島から北西に約9kmに位置する伊江島からの湧き水を使用し、島の特性を生かした硬水での酒造りを行う「あごり」は、華やかな香り、端麗の旨みが凝縮されています。
時代の流れに敏感に反応する感性をもち、本物にこだわりながら、本当に旨い酒を飲ませてくれる酒造所です。
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赤色は定休日となります。
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