泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (有)比嘉酒造
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
沖縄本島中部、景勝地として有名な残波岬がある読谷村で操業を行う酒造所は、昭和23年に創業しました。戦後復興の物資不足の時代、メチルアルコールまでをもあおり、その事故により戦中を生き抜いたかけがえのない命を失う人々がいました。
その事に心を痛めた創業者は、酒造りを始める決意をしたそうです。昭和30年頃、沖縄では焼酎甲類ブームが起こり、本島中部にあった焼酎メーカーが勢力を伸ばしました。その為、その当時中部にあった23の泡盛酒造所のほとんどが潰れてしまったのです。
焼酎甲類とは、繰り返し蒸留させたもの(連続式蒸留)で、ほのかにアルコールの匂いを感じるソフトな酒。それに対して、焼酎乙類に部類される泡盛は、一度だけの蒸留(単式蒸留)を行い、原料の風味を特徴としたややハードな酒となるのです。蒸留するという点で、似通った酒でありながらも風味が全く異なっていたのです。「これからの泡盛は、沖縄という地域色よりも泡盛独自の酒としての発展が必要なんだ」とは2代目比嘉健社長。手づくりの蒸留機を開発し、風味を抑えたマイルドな酒造りを展開させ、勢力を伸ばしたのです。
「米軍払い下げのお玉を大量に買って、自分で思考錯誤しながら作った。蒸留機から作るなんて、うちくらいのもんでしょうね」と、その頃の様子を語ってくれました。比嘉酒造の看板酒「残波」発売から20年。
発売当初「水のようだ」という若者の意見に、水のごとく触りなく受け入れられる酒と確信したといいます。クセのないまろやかな味わいと爽やかな香りが、時代に合った酒としてこの人気を勝ち得ているのです。
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