泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > 池原酒造所
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
石垣市大川にある、美しい赤瓦屋根の屋敷、重要文化財の宮良殿内にほど近く、静かな住宅街に居を構える池原酒造所。扉を開け中へ入ると、ほがらかな笑顔で池原老夫婦が迎えてくれます。
久しぶりに田舎のおじぃちゃん・おばぁちゃんを訪ねてきたような温かな気持ちにさせられてしまいます。酒造所の歴史などを伺う間にも、八重山かまぼこや黒砂糖が次から次へと出てきます。
「夏場は熱くて酒造りは、休んでるんですよ」と、語るお二人。
それもそのはずで、この酒造所は、池原ご夫妻だけで操業を行う平均年齢55才の小さな酒造所。
「小さいところは、造れる分だけを慌てず、丁寧に造るだけですよ」
と、仲むつまじく寄り添いながら酒造りを行っているのです。
創業当時のまま、洗米から蒸留に至るまでの全作業を手作業で行い、 唯一機械的な物といえば、麹の温度が上昇したときに、送風を送る機械だけ。麹室は、丁寧に手作業で編まれた竹網がしかれ、古くなってきたところを補修しながら、使い続けています。
古き懐かしい温かな酒造りを大切に守りながらも、ほのぼのとした時間が流れる酒造所です。
それは、この池原酒造所の「白百合」や「赤馬」の風味によく現れていて、甘味ある豊かな味わいに、素朴で独特な風味を楽しませてくれます。
「小さいところは、小さいなりに・・・」その言葉が胸にじーんと伝わってくるようです。これからも手作業の昔ながらの製法と、素朴感を大切に、守り続けてほしいと強く願わずにはいられません・・・。
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赤色は定休日となります。
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