泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > 入波平酒造
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
与那国島の酒造所巡りの中で一番の驚きと発見だったのは、空き瓶だった。小さな島では空き瓶は大切な資源です。空気だけをつめた瓶を送料をかけて仕入れしなければならない。島内で使用される瓶のほとんどがリサイクルで島の人々を渡り歩くのです。これは、与那国島だけに限らず、宮古島・八重山諸島の島はリサイクル瓶が多く使われています。
島の人々を渡り歩いてきた瓶達は、お世辞にも綺麗とは言えません。傷がたくさんつき、その傷を隠すために化粧紙を巻いて販売しているのです。島国らしさの優しさが伝わり、本島や県外出荷では、お目にかかることがないだけに、この稀少価値には胸を熱くさせられます。
与那国島で最後に訪れた酒造所は入波平酒造。国泉泡盛から分家しできた酒造所です。島内でも新しいことに挑戦していく姿勢が強く感じられる酒造所で、花酒で唯一古酒造りをしている酒造所です。もちろん飲ませて頂いた60度13年古酒は、一口舐めただけで燃え上がる勢いで体中に広がり、喉を落ちる瞬間にははは〜っとひれ伏してしまうほどの威厳ある古酒なのです。
「一般酒(新酒)で、美味しい酒でなければいい古酒にはなりえない」と断言する、杜氏入波平浩伸さん。酸味を和らげたモロミを造ることから、いい古酒は生まれると言います。
同じ与那国島にある国泉泡盛から分家して12年。祖父から受け継がれた伝統の味を守りながら、日本最西端の島で熱い魂の酒は生き続けています。
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