泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (株)石川酒造場
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
次世代へ残していく伝統の味、泡盛造りで唯一のモロミ甕発酵、甕貯蔵を守り続ける酒造所は、今年で創業55年目を迎えます。琉球王朝時代、泡盛づくりは、首里城の南東にある三箇(三つの村)でしか許されませんでした。その首里三箇の流れを受け継ぎ、昭和24年に首里寒川の地に再興。
その後、二代目信夫さんにより工場拡大のため西原町小那覇へ工場移設。広々とした酒造場内には、80本のモロミを仕込む甕がずらりと並んでいます。
他の酒造所では、全てステンレスタンクを使用してモロミを発酵させている中、この酒造所のみが守り続けている昔ながらの製法です。小仕込みという一石甕の中のモロミを綿密に温度調整し、繊細な風味に仕上げられます。遠くは、離島・台湾まで泡盛づくりの伝統に従事した先代とそれを受け継いだ二代目の大きなこだわりの形です。
甕仕込みだけでなく甕貯蔵へも大きなこだわりがあり、出来上がった泡盛を2〜3ヶ月甕に寝かせ、「にーかじゃー」と言われる新しいにおいを取り去り、まろやかな味わいに仕上げます。甕が泡盛の熟成において最も早く、優れていることは科学的にも立証されています。主力商品「玉友(ぎょくゆう)」・「甕仕込み」は、この酒造所ならではの甕の風味漂うまろやかな味わい。
甕のまま特別に熟成させた10・20・30年物の特別限定秘蔵古酒の販売も行っています。「甕の風味を守りながら、いい古酒を造り付加価値の高い酒に育て、こだわりの方へ少しずつ提供していきたい」という酒造所の姿勢が泡盛本来の伝統と味を本物の古酒へと熟成させ続けていくのです。
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