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泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
人口1800人の島、与那国島に酒造所が3つもあるということは人口比率から考えると驚きべきことです。そしてその3つの酒造所は歩いて5分ほどで移動できてしまうほど隣接しています。
国泉泡盛(名)は、「どなん」で全国的に知られた酒造所です。
酒造所を訪れると、優しい瞳をしたお母さんがひとつひとつ丁寧に酒造所内を案内してくれました。一階平屋の酒造所は、製造過程によっていくつもの部屋に分かれており小さな島ながら手広く酒造りをしているのが伺えます。前線などの影響で雨の多い与那国は、泡盛を発酵させるための温度調整に大変な苦労を強いられます。
訪れた時は、2月の天候の不安定な時期で、電気毛布やストーブを使って微妙な温度調整を行っていました。その電気毛布をかけ直すお母さんの手は、まるで寝ている赤ちゃんに触れるかのようにそっと優しく触れるのです。小さな島での酒造りはどれほどの愛が詰まった酒なのか、ただ酒をあおるだけではこの深さを感じることはできないだろうと深く感じてしまいました。
税法上、原料アルコールと表示された花酒は、喉にくらいつくカッとする辛さの中に島国ならではの陽気な南国気分に浸ってしまう泡盛。その中には島の苦労の中で生み出された深い愛が染み渡っています。
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