泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (株)久米島の久米仙
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
那覇の西の沖に浮かぶ自然豊かな久米島は、ほかの離島に比べ昔から水が豊富で、その肥沃な土地もあって米がよくとれたといいます。
その久米島の地にこだわり、酒造りを行う『久米島の久米仙』は、規模ではなく「普遍なる味」で勝負し続けているのです。島の北側に位置した工場で造られる泡盛は、常に造り手として責任の持てる品質の維持に励み、麹やモロミの冷却も冷凍機も使わず、自然風と天然水を用い、限りなく自然に近い状態で酒造りを行っているのです。島の神話を残す堂井(ドーガー)の名水によって仕込まれたモロミは、水の甘味を生かし、口にふくむと酸味は喉を刺激せず、ほんのりと甘さが広がっていきます。
一日に10トンの米を使い、平均10本のタンクにモロミを仕込む。よいモロミを造るために一貫した近代設備を生かしながらも機械だけに頼らず、人の手によりモロミタンク一本一本の攪拌作業を行っているのには、以外にも驚かされます。熟練された直感や判断力で徹底した品質管理こそが 泡盛メーカートップクラスが誇るものなのです。
原料の搬入や製品の出荷などのコストの負担になる久米島での酒造りにこだわり、限りなく自然に近い状態で酒造りを行う酒造所は、この島の自然を愛し、それを伝えていこうする強い姿勢なのかもしれない…。
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