泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (資)恩納酒造所
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
「琉歌の里」恩納村の自然と風土に育まれた酒造所は、昭和24年に村民10名の資本を募り創業を開始しました。創業当初は、家畜小屋を利用してもろみ仕込み用のカメ、蒸留機などを設置した小さな酒造所だったそうです。
昭和25年に景勝地万座毛にほど近い地に工場を移設し、現在に至る恩納村唯一の酒造所となりました。
酒造所の傍にある嘉真良井の地下から湧き出る清水を仕込み水に用い、奥深い旨みある酒を造りだしています。その代表銘柄「萬座」は、万人に愛される泡盛になるようにという願い通り、はるか海を越えて南極昭和基地へ送られ、「濃厚で独特な甘味と柔らかい喉越しが好評を博した」と、記録に残っています。
現在、酒造所が力を入れている銘柄は、「しんかい」。恩納村の地域振興協議会の提案により、研究を重ねて生まれた泡盛は、30度の一般酒(新酒)を370m〜400mの深海へ沈ませ、12時間〜24時間放置した後、商品化する泡盛です。
現段階では、科学的な証明はされていないものの、海底で寝かせた風味は、甘い香り、角のとれたまろやかさ、まさに驚くほど古酒を感じさせます。
「なんでこうなるのかは、わからない…。でも、海の神秘に大きな夢を託しているんだよ」と、代表者大城保洋さんは語ってくれました。
生産量の6割が恩納村内で消費される酒造所の酒は、名実共に恩納村の酒であり、恩納村の人々の大きな夢と熱い思いが注がれた泡盛でした。
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