泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (名)新里酒造
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
琉球王朝時代、泡盛づくりは、首里三箇と呼ばれる崎山・赤田・鳥堀の地で、王府によって定められた30人の泡盛職人にしか許されませんでした。その由緒正しき赤田の地で1846年に創業した新里酒造は、伝統の技と精神を守る泡盛造りに研鑚を重ね、現存する酒造所でもっとも古い酒造所なのです。
現在は、嘉手納基地の門前町として沖縄とアメリカ、そして日本がチャンプルー(ごちゃまぜ)になった個性的な街として知られる、沖縄本島中部の沖縄市に移設し、泡盛造りをおこなっています。沖縄市には泡盛酒造所がなかったことから市より唯一の酒造所へと招き入れられたそうです。新里酒造の泡盛は、女性から泡盛通までが楽しめる伝統の深い味わいと豊かな柔らかさと甘みが特徴。その秘密は、モロミを低温発酵させるということにあります。低い温度で発酵させたモロミは、じっくり時間をかけた分だけ旨さが引きだされ、柔らかな甘味が出るのです。
そしてそのモロミを昔ながらの製法でコクある甘味を生み出す単式蒸留とフルーティでまろやかさを生み出す低温蒸留という二つの蒸留法をおこない、ブレンドすることで、新里酒造ならではの味が生まれます。オリジナルの味を生み出す大切なブレンド作業を行うのは新里酒造で酒を造り始めて40年以上という平良さん。「年配の方にも若い人にも美味しいと思ってもらえる酒を造り続けることが何よりも幸せなんですよ」と笑顔で語ってくれました。その傍らには、今日できた泡盛、先週できた泡盛…と並べられ楽しそうに品質管理をなさっているのでした。
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