泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (有)高嶺酒造所
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
全国で8ヶ所しかない国定の名勝地川平湾と於茂登連山を一望できる地に、創業51年目を迎える高嶺酒造所があります。
石垣島内で最も自然環境に恵まれた地に居を構える酒造所は、親しみを覚える手書きの看板がほのぼのとした優しさを感じさせてくれます。
大正時代には主流であった直火式釜での蒸留法。現在では循環式蒸留機という機械的な蒸留法が主流になりつつある中、この酒造所は直火式釜での蒸留法を守る数少ない酒造所です。
酒造所内は、ガラス越しのギャラリーになっており、泡盛の製造過程と直火式釜をたっぷりと見学することできます。
「機械化された泡盛の製造過程を観光客の方にお見せしても泡盛を本当に知って頂くことはできない。観光客も昔ながらの製法、手作りの製法を見たいと足を運んでくる。だからギャラリーを通してその製法を見てもらいたいんです」と、語る高嶺聡さん。いずれこの酒造所を継ぐあととり息子は、若い闘志を酒造所に注ぎ込みます。
この高嶺酒造所のもうひとつの特徴は、古酒オーナー。
2000年に乾杯!と始めた古酒の預かりが今年で22年目を迎えます。
石垣島での旅の思い出や新婚旅行の思い出に自分の名前や恋人の名前、夫婦の名前を刻んでいくのです。
そしてその古酒は、その熟成された年の年数だけまろやかになっていく・・・。
再びこの地を訪れたとき、その過ごした時間の分だけ角の取れた優しい年数を古酒は教えてくれるのかもしれません。
恵まれた自然に恩恵を受け、手作りの泡盛造りを守り続けていく高嶺酒造所。
この酒造所を訪れた人は、有効期限のない片道キップを手にし、再び訪れることを約束するのでしょう。
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