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泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
賑やかな国際通りを背に南東へ歩いて約15分、与儀小学校付近には、美しい並木道があります。その並木道からかすかなモロミの香りに誘われ細い路地を曲がると津波古酒造場が姿を現します。
津波古酒造場は、明治31年に現在那覇軍港である那覇市垣花で創業し、大正15年に「太平」の銘柄を出して以来、現在までこの酒で酒造場を支えています。酒銘の由来は、その名の通り平和を願う気持ちを現し、ラベルには、地球と太陽を意味する二重丸が描かれています。
「機械化の進んだ今の時流の中で、小さい酒蔵ならではの丁寧な自身の五感を駆使しつつ、酒に作り手の心を感じさせる酒造りをしたい」と語る杜氏の大城さん。
泡盛は貯蔵さえすれば、立派な古酒になると思われがちだが、貯蔵によって酒質が向上するには、よい香りや味に変化(熟成)する成分が多く含まれていることが必要不可欠。津波古酒造所では、その成分を発酵、蒸留、ろ過の各工程で、できるだけ失わない製法を取ることにより、将来よりよい古酒になる泡盛が製造できる技術を追求しているといいます。
その一つに蒸留後に出る油成分は、泡盛独特のクセの元となるが風味豊かな古酒になるために、欠かすことのできないもの。その為、微妙な加減で取り除いているそうです。
その証拠に「10年前にお祝いに頂き、大切にとっておいたんですが大丈夫ですか?」と一般客によって持ち込まれた『太平』は、そのふたを開けたときに極上の甘い香りが広がり、飲むと滑らか喉越しと上品な味わいが広がったそうです。
いい古酒になるために造り続けた製法に間違いはなかったのです。また、大城さん曰く「古酒は、買うものではなく、個人で作るものなんです。それぞれの人が自宅に持ち帰ったときからその個性が生まれます。いい古酒を造るためには、昔ながらの風味を残した手造り製法が最適なのです!」
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