泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > (資)津嘉山酒造
名護市街にほど近く、静かな住宅が立ち並ぶ通りに、ひときわ美しい赤瓦の屋根をもつ津嘉山酒造所。
そこには、看板などはなく、酒造所であることは、蒸留用の煙突だけが教えてくれます。
その昔ながらの民家の佇まいを残した酒造所は、戦後被害が少なかったため、近辺の住民が借り住まいし複数の家族と共に生活をしていました。
戦後復興の苦しい時代を見つめてきた佇まいは、言葉では表せないほどの存在感をもたらしています。創業当時、名護から北には酒造所はなく、北部でただ一つの酒造所で造られた泡盛は、国頭(郡)の華という意を込めて「國華」と名付けられました。
そのまろやかな舌触りと香り高い豊かな味わいは、名護の泡盛処として親しまれています。
現在3人の従業員の手によって、月に2回だけの仕込みで、販売を手造り古酒「国華」一筋に絞っています。89歳の2代目瑞慶村社長は、ご老体ということもあり現在酒造りを行ってはいないものの、酒造所内の居間にある瑞慶山氏専用の籐椅子に深く腰を下ろし、この酒造所を引き継いだ話をゆっくりと話してくれました。かつて、瑞慶村氏の親友であった創立者津嘉山氏の長男は、23歳の若さで戦死を遂げ、その後親友の妹さんと結ばれたのです。
そして、もののない戦後の東京でこの津嘉山酒造の泡盛を手売りをした後、後継者のいなかった酒造所の二代目となったそうです。
「もう創立者よりも長く酒造りをしてしまいました」と、その歴史を振り返りながら苦労さえをも慈しむかのように柔らかな笑顔を見せてくれました。国頭の地で華のごとく甘く香り続ける「国華」は、本物の愉しみを知る人こそが味わう酒なのです。
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