泡盛倶楽部 > 富永麻子の酒造所巡り > やんばる酒造株式会社
泡盛ルポライターの富永麻子(99年度泡盛の女王、愛称「古酒(クース)」)が酒造所を巡り、各酒造所の歴史、伝統、特色、こだわりを聞き出し、杜氏の人柄を引き出すインタビューコラム。
富永 麻子 (とみなが あさこ) = 文 / 撮影
沖縄本島の最北端に居を構える酒造所は、「やんばる」と呼ばれる本島北部を山あいへむかう大宜味村田嘉里の緑に囲まれた場所にあります。
その窓から見える山並みの美しさは、自然の恵みを受け、時が止まったかのような静寂さを保っています。昭和24年に精米所を利用し、集落共有の酒造所として操業を始めました。
銘柄名がなかった頃の記号のようなネーミング、田嘉里からとった「○田(まるた)」の名は、今日でもラベルに残され、親しまれています。
「田嘉里の酒の旨さは、水です」と答える、87歳の会長池原三郎さん。自慢の水は、酒造所から1キロメートル先の山頂付近から湧き出る水。取水口には今日でも時折、沢蟹や川海老が舞い込むといいます。まろやかでふくよかな甘味をもつその水の水源は、昔、村民のために使われていた上水道で、現在では、やんばる酒造のみが守り続けています。
生産量の80%が本島北部で消費される田嘉里の泡盛は、やんばるの味として、国指定の天然記念物、ヤンバルクイナをそのまま名付けた主力銘柄「やんばるくいな」村政90周年記念として作られた「ぶながやー」(本島北部方面の方言でがじゅまるの木に住む妖精)などまろやかな口当たりよい酒です。
「モロミの熟成が納得いかなければ決して蒸留させない」というこだわりを持ち、酒造所に働く全員できき酒をするなど、一貫した小さい造り酒屋ならではの素朴さを残す酒造所です。
▼ 2023年3月 ▼ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
▼ 2023年4月 ▼ | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
赤色は定休日となります。
商品の出荷及び、お問い合わせのご連絡は、翌営業日になります。
尚、インターネットでのご注文は365日、24時間受け付けております。